さて、早くもMISOROGI人形展最終日を迎えることとなりました。人形に対して、様々なアプローチがありますが、この展示は人形を作るという遊びに大まじめに取り組んでします大人が集まっているように思います。もちろん、真剣にならないといいものは作れませんが、芯に遊び心を持つことは不可欠だと思います。
大正時代に大人なのに郷土玩具を愛好する人たちを「子供」に対して「大供」、郷土玩具を大供玩具と呼んだことがあったそうですが、 現代の大供はこんな人たちでしょうか。
・安達忠良さん
冗談彫刻と称し、長野の自然に囲まれた環境でウィットとユーモアのある木彫の人形を作られてます。だいたい動く仕掛けがあり、笑いを誘う動きが見られます。今回は季節にあわせてワインボトルを使った男女。いつも楽しいお酒を飲まれている安達さんの姿が想像できそうです。
・ユニバーサル・プーヤンさん
複製する樹脂のボディの原型から衣装まですべて自身で制作する夫婦ユニット。二人に共通するのは、おもちゃが大好きだったこと。コレクターとして量産の玩具に関する知識は豊富なだけに、オリジナルキャラクターをつくりあげるまでに、微に入り細に入りこだわりがあり、制作の苦労談が沢山あるそうですがどれも面白おかしく聞こえてしまうのは、すべては玩具への愛情ゆえ。大供そのものと呼びたいお二人です。
・本多厚二さん
風のように自由な子供心には、落ちている小枝やガラクタも命あるものに見えてしまう。本多さんの作品を見ていると、何でもない素材に魔法がかけられたように、詩的な風景が生まれてきます。大供のものつくりでないとできない技ではないでしょうか。