展示搬入日を控え、夜通しの作業が続きます。出品者の方も、一部はそんな方がいらっしゃると思います。
郷土人形の吉田義和さんも、本展に向けてたくさんの今戸人形を制作し、早々に届けて頂きました。
古代、民俗、郷土の人形から現代につながる人形の糸を、MISOROGIで探してみてはいかがでしょうか。
・吉田義和さん(古型今戸人形)
大学で油絵を専攻し、美術教師の経験もある吉田さんは、江戸の今戸人形を可能な限り再現するために、原料の粘土作りから制作に取り組んでいます。ホームページやブログではその過程や奮闘ぶりがうかがえます。
第1回の展示に参加されるとき、「高級料理みたいな人形が並んでいるところに、僕のおでんみたいな人形がごちゃっと並んでもいいのかなあ」と心配されてました。そのおでん、大好評でした。今年も変わらぬ美味しいおでんをどうぞ。
・前田ビバリーさん
前田ビバリーさんも、本格的に郷土人形に取り組まれてますが、画賊という作家グループにも属し、アートと玩具的な文化のあいだを自由に往来されてます。遊び心と現代的なセンス、女性らしい繊細さのあるビバリーさんの張り子人形は、現代のコンクリートとアスファルトに満ち、どこまでも住宅が途切れない「郷土」に住む人々のための人形です。画賊は本展と同時期に淡路島で開催される「狸千年プロジェクト」というレジデンスプログラムに参加、ビバリーさんも参加されます。
狸がいっぱいのお祭りのようですよ。
・澤藤範次郎さん(さわはん工房 六原張子)
澤藤さんは、岩手で職人の家系のご出身です。伝統の六原張子を踏襲しつつもご自身の「さわはん工房」で、オリジナルの人形創作も楽しんでおられます。さわはんさんの人形はどれもユーモラス、土地の材料の張り子紙の風合いとデザインも洗練されていて、モダンなインテリアにもよく似合うしおめでたい雰囲気いっぱいなので、様々なショップやイベントにもよく出品されています。本展では、制作で大いに遊んでください、とお願いしました。電話の向こうで「いいんですか?」という声。いいんです!楽しみ楽しみ。