太田みき子(郷土人形 高松宮内張子)
「みそろぎ人形展」のメインビジュアルで活躍している「奉公さん」。四国、香川県に伝わる郷土人形です。おマキという娘がお仕えしていたお姫さまの身代わりに病気になり、一人離れ小島で果てたという伝説に因み、嫁入り人形として、または子供の病気を治すとして人々に親しまれてきたものです。明治時代の旧髙松藩士、梶川政吉が奉公さんを広めたといわれるが、制作者の太田みき子さんは梶川政吉の娘、宮内フサの血筋にある後継者として髙松宮内張子を名乗り、神戸で制作を続けています。素朴な筆の勢いがそのまま残る奉公さんや干支人形、縁起物の張り子からは、それを手にする人の健康と平穏を祈る作者の祈りが伝わってくるようです。